学院紹介
◆学院長挨拶
学院長 辻 裕
大阪大学名誉教授
当学院の使命は、学生に進学に必要なアカデミック日本語を習得させ、日本の大学や各種の学校に進学できるように指導し教育することにあります。この点は国内にある多くの日本語学校と同じですが、当学院は多くの類似の学校にはない伝統と特色を持っています。
当学院の起源をたどると大阪府日中友好協会の一部門として1967年に開設された大阪中国語学院にまで遡ります。日本人に対しては中国語を、中国人に対しては日本語を教え、多くの優秀な人材を育ててきました。1980年代から1990年代にかけて、延べ800名余りの中国からの帰国者に対して日本語教育を無償で提供しました。歴史的経緯から中国からの留学生を多数受け入れてきましたが、現在は中国に限らず、ベトナム留学生も当学院で勉強しています。
日中語学専門学院の規模は大きくはありませんが、帰国者に対する日本語教育に見られるように、真摯にそして誠実に日本語教育に取り組んできました。当学院では途中で落後する学生は極めてまれです。それが評価され、毎年連続で大阪出入国在留管理局優良校に認定されています。
さて、「言葉の壁」という表現がよく使われます。この表現は、「言葉の壁」を越えないと先に進めないことを意味しています。いうまでもなく日本語の習得なくして、日本で夢を叶えることはできません。しかし頑張ってこの壁を乗り越えると、可能性が大きく広がります。当学院は、その「言葉の壁」を超えるサポートを全力で行っています。「壁」を乗り越えた多くの卒業生が日本及び世界の各地で活躍していることを誇りに思っております。当学院は、これまでと同様、今後も語学教育を通じてバランスの取れた国際感覚を身に着けた人材の育成を目指していきます。
◆学院沿革
1950年 | 大阪府日中友好協会設立 |
1967年 | 大阪中国語学院開設 |
1983年 | 「中国帰国者のための日本語学校」を無料開講 |
1989年 | 株式会社日中語学センター設立 |
1989年 | 日中語学専門学院開校 |
1990年 | 財団法人日本語教育振興協会認定校となる。定員60名 |
1991年 | 定員103名に増員 |
1995年 | 「中国帰国者のための日本語学校」 に対し厚生大臣より感謝状授与 |
1999年 | 「日中語学専門学院」大阪入国管理局より適正校(優良校)認定 |
2001年 | 午前、午後、二部制開始。定員154名に増員 |
2002年 | 定員208名に増員 |
2003年 | 定員308人に増員 |
2012年 | 1999年以来大阪入国管理局より連続適正校(優良校)の 認定を受ける。定員210名に減員 |
◆コース概要
クラス | 対象 | 達成目標 |
初級 | ・検定3級程度の能力達成を目指す者 | ・日本語検定3級合格程度の能力を付ける ・正しい発音の習得 ・文字(ひらがな・カタカナ)の習得 ・基本的文型の習得 ・簡単な文章が読み書きできる ・日常生活における簡単な会話ができる ・日本の生活習慣などを理解する |
中級 | ・日本語検定3級合格程度の能力のある者 ・初級を修了した者 |
・日本語検定2級合格程度の能力をつける ・やや高度な文法の習得 ・一般的なやさしい読物が理解できる ・自分の意見が発表でき、文章にできる ・日常生活における会話ができる ・自分で辞書などを用いて学習できる |
上級 | ・日本語検定2級合格程度の能力のある者 ・大学、専門学校進学を目指す者 ・大学院進学を目指す者 |
・日本語検定1級合格程度の能力をつける ・高度の文法の習得 ・一般の新聞、雑誌記事、文学的作品などが理解できる ・自分の専攻分野における基本的な文献が読解できる ・レポート、小論文が書ける ・日常会話に習熟し、簡単なスピーチができる ・ラジオ・テレビの番組がほぼ理解できる ・大学、大学院、専門学校における学習生活が支障なく 送れるような能力をつける |
◆奨学金制度
成績や出席率の良い学生は奨学金を受けることができます。留学生活をより豊かにすることができます。真面目に勉学に励んで、奨学金を受けられるチャンスを得てください。奨学金には次のようなものがあります。
●JCLA(日中語学専門学院)奨学金
概要 | 本学院では学生の学習意欲を高め、経済上の大きな助けに なるように独自の奨学金を設けています。 留学ビザを有し、本学院に1年以上在籍し、成績優秀、出席 率が非常に良く、品行方正の学生であること。 |
奨学金 | ・ 国公立大学の学部、大学院に合格し入学が決定した学生 (研究生は除く)に卒業時に学習奨励金を支給します。 ・ 同上の条件で本学院指定の私立大学の学部、大学院(研究 生は除く)に合格し、入学が決定した学生に学習奨励金を 支給します。(外部の奨学金をもらっている学生は対象外です。) |
●文部科学省外国人留学生学習奨励費給付制度
概要 | 独立行政法人、日本学生支援機構の奨学金です。 日本の大学や専門学校への進学を目指している私費外国人 留学生に対して奨学金を支給しています。 学業成績が優秀な者を学内で選抜し、推薦します。その後 奨学会の審査を経て決定されます。 |
奨学金 | ・成績優秀、出席率が非常によく、品行方正な学生で あること。 ・月30,000円×12ヶ月 |
奨学金受給者 | 平成28年度は2名の学生が選ばれました。 |
◆奨学金受給者の声

(中国)
・奨学金の使い道
奨学金を受けることによって、日本での生活が経済的に楽になりました。アルバイトの時間を減らして、図書館に行って好きな本を読めるようにもなりました。 好きな本を手に持ってじっくり読むのが好きな人は本屋でゆっくり選んで、家で読むのは本当に読み応えがあると思います。また、たまに映画を見たのも日本語の勉強になったと思います。
・奨学金を受けるために気を付けていたこと
まず自分自身を省みてください。自分は成績優秀、出席率が非常によく、品行方正な学生なのでしょうか。これは奨学金をもらう基準であり、同時に留学生としての基準でもあります。 奨学金をもらうために毎日出席している訳ではなく、日本語を勉強するために出席しているのだということを常に肝に銘じることが大事だと思います。奨学金は勉強に励んでいることへの証だと思って、目の前の目標に満足せず、もっと先をみるべきだと思います。
・後輩へのメッセージ
私たち留学生はみんな夢を抱いて日本へ来ました。色々な困難を乗り越えるのは、容易なことではないでしょう。でもその時は先生や先輩たちに相談しましょう。きっと成功に辿り着くと思います。

(中国)
・奨学金の使い道
外国人留学生、なかでも中国人留学生が日本で生活する上で最も難しいのが経済問題です。奨学金を受けることは家庭にとっては経済負担を軽減する事になるし、本人にとっては経済上のプレッシャーを軽減し、アルバイト時間を減らして勉強に打ち込む時間を多くとる事が出来、日本での生活が気楽で愉快になる。
・奨学金を受けるために気をつけていたこと
奨学金を受けるには先ず成績が優秀である事。しかし勉強は決して奨学金目的でやるものではない。奨学金はその人の努力を肯定認可しただけのものに過ぎなく、更に高い目標に向かって努力せよという激励を込めているといえる。正しい学習態度が非常に重要で、毎日出席して100%の出席率を確保しよう。
・後輩へのメッセージ
日本での留学生活は大変な困難を伴うもので、相当の心の準備がないとだめ。しかしこれらの困難のなかにもっと多くの喜びや美しさがあるわけで、あなたがこの困難を乗り切った時には輝かしい前途が見えてくるのだ。努力を惜しまず、退却せず、困難に打ち勝って成功を掴もう。